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著者 小川洋子
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長編
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単行本 256ページ
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発売日 2012/11/7
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読み終えるのにかかった時間 3時間
親や他人とは会話ができないけれど、小鳥のさえずりはよく理解する兄、
そして彼の言葉をただ一人世の中でわかるのは弟だけだ。
小鳥たちは兄弟の前で、競って歌を披露し、息継ぎを惜しむくらいに、一所懸命歌った。
兄はあらゆる医療的な試みにもかかわらず、人間の言葉を話せない。
青空薬局で棒つきキャンディーを買って、その包み紙で小鳥ブローチをつくって過ごす。
やがて両親は死に、兄は幼稚園の鳥小屋を見学しながら、そのさえずりを聴く。
弟は働きながら、夜はラジオに耳を傾ける。
静かで、温かな二人の生活が続いた。小さな、ひたむきな幸せ……。
そして時は過ぎゆき、兄は亡くなり、 弟は図書館司書との淡い恋、鈴虫を小箱に入れて持ち歩く老人、文鳥の耳飾りの少女と出会いながら、「小鳥の小父さん」になってゆく。
世の片隅で、小鳥たちの声だけに耳を澄ます兄弟のつつしみ深い一生が、やさしくせつない会心作引用:Amazon
図書館でなんとなく目に留まりタイトルがかわいかったので借りました。
借りる時の軽い気持ちとは裏腹に内容はとても軽い気持ちでは読めませんでした。
「小鳥の小父さん」はひっそりまじめに生きていて小鳥を愛し、いつまでもお兄さんを愛し続けそれだけなのに変に誤解され小鳥から離されてしまったり読んでいてとても切なくなりました。
小鳥の小父さんの一生が描かれてあり、とても静かに生きてる姿にうらやましさもありました。
ストレスやイライラが多かったり日常生活の中に雑音が多すぎて疲れる日々を送って
いますが、気付いたらそんな萎えた気持ちを癒すようにこの本を読んでいました。
読み終えるのがさみしかったです。
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